大型自動二輪教習記・第1段階

 

私は既に普通二輪免許(旧・中型自動二輪免許)を持っているので、
最短で、第1段階1時限、第2段階4時限、第3段階3時限、第4段階4時限の技能教習を受けることになる。なお、学科は無い。
 何も免許を持っていない人や、普通車(四輪)のみの人は、30時間以上の技能教習を受けることになる。もし、これらの人が大型自動二輪免許を取りたいと思うのなら、先に普通二輪免許を取ることを勧める。


 

5月19日
 

この日、大型二輪教習が始まった。
 私が初めにやらなければならなかったことは、200kg以上あるCB750を車庫から出してから20mほど押して、Uターンして戻ってくることだった。
 160kg程度のCBR250Rだったらどうってことないことなのだが、CB750はCBRに比べて、車格が大きく、ハンドルの幅が広いために少々苦労した。が、特に問題なくこなすことができた。
 次に指導員が指示したことは、転倒したマシンの引き起こしである。
CBの車重は前に述べたとおりだが、コツさえ分かっていれば簡単に引き起こすことができる。
 そのコツというのは、脚力のみを使って引き起こすこと。絶対に背筋力や腕力を使って起こそうとしてはならない。そうすると、確実にこれらの筋肉を痛めるからだ。
 

その次に指示されたのは、センタースタンド掛けだった。
 これにもやはりコツがある。まず、ハンドルをまっすぐにし、センタースタンドを軽く踏んで車体が地面に対して垂直になったのを確認した後、左手でグリップを、右手でバンパーをしっかりつかんで、右足をセンタースタンドにのせて、左足を浮かせればよい。それだけでリアタイヤが浮いて、センタースタンドが掛かる。ただし、体はマシン側に向けておくこと。
 

指導員はセンタースタンドが掛かっているマシンにまたがるように指示した。その状態で、正しいフォームの指導を受けた。
 

この後、センタースタンドを外した。外すときに注意することは、ハンドルをまっすぐにし、マシンを一気に前に押し出すことだ。外した後で軽くフロントブレーキを掛ける(強く掛けるとバランスを崩してしまう)ことを忘れずに。
 

そして、サイドスタンドを外してから乗車する。
中型教習の時のCB400SFの場合は、「サイドスタンドを外してから乗車」という手順は背の低い私としてはつらかったが、(「中型自動二輪教習記」参照)CB750の場合は、乗車してからスタンドを外すのがやりづらい(左ステップが足に当たる)ので指導員に言われた通りの順番の方がやりやすかった。
 

ニュートラルを確認してエンジンを掛ける。次に支えている足を左から右にかえて、クラッチを切ってギヤを1速に入れる。そしてまた、左足で車体を支える。
 身長の高い人なら何も問題ないが、つま先立ち状態の私にとっては、踏み換えが結構難しい。しかし、体験教習の時に慣れたので、さほど問題ない。
 半クラッチにして走り出す。左足が地面から離れる。こうなればこっちのもの。走り出せば身長は関係ないのだ。
 

初めは一人で外周を走っていたが、途中から指導員もバイクに乗ってきて、ついてくるように指示された。初めは指導員についていくのがやっとだったが、走っていくうちにだんだん追いつけるようになった。
 

突然、指導員からとんでもない指示が、「右手だけで走ってみましょうか
クラッチ操作ができなくなるが、そんなことは問題ない。2速ホールドで十分にスピードが出せるからだ。問題なのは、コーナーリング中のバランスが取りづらくなることだ。
これは、ニーグリップをしっかりしていれば問題ないことなのだが結構大変だった。
 

それにようやく慣れた頃、内側の道路に入って道幅いっぱいを使って、スラロームみたいなことを片手運転のままやるように指示された。両手なら簡単だが、片手でやると難しい。ハンドルの切れすぎを押さえるのが難しいからだ。
 

そして、「片手スラローム」が終わった後で本当のスラロームコースへ行くように指示された。
 ただし、普通のスラロームと違って、進入する方向が逆なのだ。
 普通のスラロームならさほど難しくない。
しかし、今回のスラロームは難しかった。一気に150度くらいの方向転換をしなければならないからだ。私は普通のスラロームのつもりでやってしまったので、3回くらいコケてしまった。
このスラロームをやるコツは、旋回する前に極力速度を落として、一気にマシンを倒し込み、スロットルを開けて一気にマシンを起こす。と言うことなのだが、非常に難しい。  

第一段階はこれで終わった。スラロームでコケまくったので、「もしかしていきなり補習か?」と思ったが、補習は付かなかった。指導員の話によると、これはできなくてもよく、低速時のコントロールがいかに大切かを分かってくれればいいとのことだった。
 

とにかく、補習が付かなくて良かった。T自動車学校は私には50時間の補習を付けるそうだ。第一段階で10時間くらい補習付けるんだろうな。
 それに比べて、ここは必要なことはもちろん言うが、うるさいことは何も言わないからいい。


大型自動二輪教習記・第2段階

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最終更新日1999年2月25日