大型自動二輪教習記・第2段階

 

5月21日〜6月10日
 

第二段階になると、課題走行が始まる。

 課題というのは、直線狭路コース(一本橋)、波状路、曲線コース(S字)、屈折コース(クランク)、連続進路転換コース(スラローム)、急制動、坂道発進のことをいう。
 なお、教習規定時間は4時間だ。
 

中型二輪の時はS字とクランクの走り方が同じだった。両方とも、2速アイドリング状態で、曲がるときにバンクさせて、引き起こしの時にスロットルを開ける。という走り方で良かったのだが、去年の9月の法改正のときからか、クランクの中に小さなパイロンがいくつも並べられていて、バンクさせてクリア・・・、ということができなくなってしまった。S字は従来の方法で良いのだが、クランクは直立状態でハンドルを思いっきり切って回らなくてはならなくなった。
 私の場合、実際の走行のでもこういう運転をすることが多い(特に周りに通行人が多い駐輪場に入れようとするとき)ので大して苦にならなかった。
 クランクのコツは、1速で進入し曲がる直前でクラッチを切り、そのままハンドルをフルロックさせて曲がってしまい、立て直すときにクラッチをつなぐことである。
 S字は、2速アイドリングのままバンクして通るという方法もあるが、スロットルを積極的に使ってすばやくクリアーした方がよい。(結構難しい)
 急制動は、40km/hから所定の地点で、ブレーキを掛けて11m(雨天時は14m)で止まればよい。
 急制動のコツは、すばやく加速してブレーキング開始ポイントのさしかかる頃には等速状態になっていること。そして、そこを通過した瞬間にフロントとリアのブレーキを同時に掛けること。そして、停止する寸前にフロントブレーキを少しゆるめることである。
 急制動には慣れていたので、(実際走っていると、急ブレーキを掛けざるを得ない状況に追い込まれることが非常に多い。こっちに過失がないときでも)これも簡単だった。
 
 さて、少しやっかいなのがスラロームである。法改正の時に、通過時間7秒以内という条件が付けられた。7秒ならS字のようにアイドリングで走って引き起こしの時だけスロットルを開ける、という走り方でも十分クリアーできるのだが、もっと速く(5秒台)走るように要求されるので、もっと積極的にスロットルを使わなければならなくなる。
 
 非常に難しいのが、一本橋と波状路だ。一本橋は大型二輪の場合、10秒以上かけて通過しなければならない。(普通二輪は7秒以上)7〜8秒で通過するのは簡単だが、10秒以上かけて通過するのはかなり難しい。台に乗ってからクラッチを切って惰性で走行し、止まりそうになったら半クラッチにして少しスピードを上げる・・・、というふうにするのだが、クラッチの使い方が難しい。クラッチのつなぎ方をいい加減にすると、10秒以上で通過できなくなるか、エンストする羽目になる。

 一本橋以上に難しいのかもしれないのが大型二輪しかない波状路だ。
これは立ち姿勢で通過しなければならない。単に立ち姿勢で通過すればいいわけではなく、7〜8秒以上かけて通過しなければならない。だから、体験教習の時のようにアイドリング状態で通過するというのはダメなのだ。
 波状路は、立ち姿勢のまま、極力スピードを落として、段差を越えるときだけ半クラッチにして、スロットルを開ける。段差を越えたら、リアブレーキでスピードを落とす。ということを繰り返さなければならない。普通二輪のレベルなら問題ないのだが、(一本橋は7秒以上で渡れるし波状路は課題にない)大型二輪のレベルになると格段に難しくなる。この2つがなかなかうまくいかないので、かなり補習がついてしまった。
 しかし、やった分だけは確実にうまくなっているし、CBR250Rの運転がうまくなっていることがはっきり分かるのだ。つまり補習は無駄ではないのだ。
  



 これで「大型二輪教習記・第2段階」を終わらせるつもりだったが、一つ書かなければならないことができてしまった。

 私は、「第1段階」の終りに「ここは必要なことはもちろん言うが、うるさいことは何も言わないからいい」と、書いた。残念なことであるが、これを撤回しなければならなくなった。
 その理由を説明するのには6月9日に起きた出来事を詳しく語らなければならない。

 この日、第2段階の教程8をやっていた。これをクリアーすれば次は見極めである。
なお、前回も教程8だった。つまり、補習がついたということ。
 今日の指導員はひどかった。些細なミスでもすぐ怒る。前回補習がついたときも、この指導員だった。前回のときも、ほかの指導員に何も言われなかったスラロームなどにも、いちいちケチをつけたのだ。他にも、曲がり方がどうのこうのだのうるさいうるさい・・・。 (これらのことも、ほかの指導員には特に指摘されなかったのだが・・・)
 この指導員は、無線越しに私を怒鳴りつけた。その口調は「注意した」とか「指導した」とはとても言えたものではなかった。『あんた、ちゃんと聞いてるの?注意をちゃんと聞いていないんでしょう?だから、うまくなれないんだよ!!』と、私に罵声を浴びせる。この指導員のあとについてクランクをやっているときに指導員が通過するまで待っていようとする(クランクは、ゆっくり通過するので、指導員の直後に私が入ると追突する恐れがある。だから待っていた。スピードが要求されるスラロームなどは、そんな心配をする必要がないが)と、『ついてきなさいって言っているだろう!』と怒鳴る。他にもいろいろあったが、きりがないからやめることにする。
 私は「おまえいいかげんにしろよ」と思ったが我慢することにした。だが、もし今回も補習を付けられたら、キレるかもしれなかった。
 しかし、双方にとって幸いなことに補習は付かなかった。しかし、教習原簿の「申し送り事項」のところには、いろんなことがびっちり書いてあった。
 

私が何を言いたいのかというと、指導員は教習生を「指導」したり、「注意」したりするのが仕事であるはず。感情的になって「怒る」とは何事か!ということである。
 

この後、配車係の所に行き、事情を説明した。そして、「注意じゃなくて、怒鳴りつける指導員の教習なんか受けたくない。だから、この指導員とは二度と当たらないようにしてほしい。予約の関係でどうしても、当たらざるを得ない場合は知らせて欲しい。そうすればキャンセルするから」とお願いした。
 その配車係は「次は見きわめだから、この指導員には当たりませんよ」と言った。私は、「最後まで当たらないようにしてほしい」と重ねてお願いした。

こういうことを言う権利が教習生にはあると思う。自動車学校にとって、教習生はなのだから。
 このテの指導員はどこの自動車学校にもいるものらしい。困ったものだ。こんなのに付き合ってやるほどこっちはヒマじゃないのだ。(とかいいつつ、「教習記」を書くヒマくらいはあったりするのだが)


大型自動二輪教習記・第3段階

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最終更新日1999年2月25日