第3段階になると、法規走行が始まる。
ここでは、安全確認をきちんとしたり、キープレフトで走ったりすることなどが要求される。
また、卒検のコースを覚えなければならない。なお、教習規定時間は3時間だ。
この段階になって、悪い癖が出てきてしまった。キープレフトをし忘れてしまったり、左に寄りすぎることに恐怖心を感じて(自動車学校のコースのような狭いところだとそう感じてしまう)キープレフトができないことがあった。しかしこれは、公道を走っているときに意識してキープレフトの練習をすることで解決した。
しかし、もう一つ厄介な問題が出てきた。それは大回りしてしまうことである。ついハンドルを切って曲がろうとしてしまうのだ。
バイクはハンドルで曲がるものではない。あくまで体重移動でバイクをバンクさせて曲がるものだ。そんなことは前から分かっていた。しかし、体重が軽い→体重移動してもバンクさせづらい→曲がらない→ハンドルを無理矢理切って曲がる→大回りする。というふうに自分も知らないうちになってしまっていた。
これを見抜いたある指導員が私にこう言った「君は、体が小さくて体重が軽いことを気にしすぎているようだ。バイクは、バンクさせれば誰が乗っても曲がる。ハンドルで無理矢理曲がるものではない。だから、体重移動だけでコントロールできるように訓練しよう」
実はこの指導員は初めてこの自動車学校に来てCB750にまたがらせてもらったときの指導員である。そのとき、この指導員は「体格は関係ない」と言ってくれたのだ。
さて、体重移動だけでコントロールするための特訓であるが、
初めにやったのは、波状路を走る時のようにスタンディングポジションを取ってスラロームをすることだった。この態勢では、ハンドルに頼った走りはできない。体重移動でしかコントロールできないのだ。
初めは戸惑ってパイロンを倒しまくったが、この方法に慣れていくとパイロンを倒さなくなり、しかもリズミカルに通過できるようになった。
次にやったことは、第一段階にもやった片手スラロームである。これも体重移動だけでコントロールできないとうまくいかない。片手だけでハンドルを無理矢理操作するのはほとんど無理だからだ。
これらの教習をやったおかげで、ほとんど大回りすることがなくなった。
こうしてようやく第三段階を終えることができた。またしても補習が付いたものの、得たものが多かったのでその価値はあったと思う。
その発言があったのは、ある学科の時だった。その学科担当の指導員は学科を始める前にこう言った。「最近、車に座布団を持ち込む者がいる。シートの高さを調整するためだ。車には、その人の体格に合わせて調整できる装置がちゃんと付いている。だから、普通の人は座布団を使って調整する必要はない。座布団を使わないと調整できないほど体の小さい人は身体障害者と同じだ。免許を取る資格はない。」
この言葉が正しいとすれば、先に挙げた彼女には免許を取る資格はないということになる。しかし、彼女はちゃんと免許を持っているし、運転だってうまいと思う(実際に乗せてもらったことがある)。
それに、低身長が、いわゆる免許の欠格自由に当たるか疑問である。(身長140cm以下でも免許を持っている人だっている。ただし、本当かどうか分からないが、140cm以下だと、乗れる車の排気量に限定が付くという話を聞いたことがある。<--
知っている人はメール下さい)
もう一つ、身体障害者だから免許が取れないというのも変な話だ。確かに、重度の障害の場合は仕方がないが、軽度の障害なら、何らかの補助手段を講じて車を運転することができるはずである。
私が初め、T自動車学校で試しにバイクをまたがらせてもらったときに、「君には非常に難しい」と言われた。このときこの指導員の頭には「体の小さい人は身体障害者と同じだ」という考えがあったのだと思う。
一方、私が通っているS自動車学校は「体格なんて関係ない」という考えのようだ。
体が小さければ、(四輪の人は)シートに座布団を敷いて乗ればいい。(二輪の人は)テクニックで体格のハンデをカバーすればいい。ということである。
私がこの光景を見てから、座布団のことを彼女に話した。すると「座布団は自動車学校の方で貸してくれた。だから私が家から座布団を持ってきたことはないよ」と言った。
驚いた私は、T自動車学校の指導員の話をした。今度は彼女が驚いた。「ひどい・・・」と言って。
これは、自動車学校の体質の問題だと思う。困ったものだ。
これ以上書くと、脱線話が多くなってしまいそうなのでやめておく。
さて、次は第4段階だ。免許はもうすぐだ。
後日、このページをその彼女に見せたら、「私があの自動車学校に行っていたら、免許取れなかったかもしれないね」と言っていた。
大型自動二輪教習記・第4段階へ
最終更新日1999年2月25日