燕三条駅には9時に着いてしまった。新幹線が到着するのは9時30分。 ここでお土産のささだんごを2袋買った。
定刻通りに新幹線が到着し、乗り込んだ。
大宮駅には11時3分ちょうどに着いた。
この駅が広い。どこから出ればいいか分からない。
馬車道が大宮駅から西方面にあることしか分からないので、西口を探して外に出た。
この時点で11時20分。約束の時間11時半にはとても間に合わない。
駅前で客待ちしていたタクシーに乗り込んで、「馬車道・大宮三橋店までお願いします」と行き先を言った。
タクシーの中で、運転手とこんな会話をした。
私:「大宮駅で降りたの初めてなんですよ。新潟から来ました」
運転手:「新潟?けっこう遠いね。何しに来たの?」
私:「インターネット上で知り合った人に会いに行くんですよ」
運転手:「インターネットで知り合った人ですか?そんなことが本当にあるんだね。相手の顔を見たことあるの?」
私:「こういうことは決してドラマの世界の中の出来事だけではありません。こう言うのをオフ会とかオフラインミーティングと言うんですよ。相手の顔はその人のホームページで見たことがあるけれど、自分の顔を相手は知りません」
運転手:「それで会えるの?」
私:「相手は自分の身長を知っています。自分が指定した場所に、この身長の人間が現れればすぐに分かるはずです」
運転手:(苦笑)
私:「もっとも、この身長のおかげで自分のページがそこそこ有名になったんですけれど・・・」
この後、自分のバイクのページについて簡単に話した。
運転手:「その身長で大型二輪を取ったのはすごいね」
私:「背が低くても、要は慣れと腕次第で、免許は取れます。自分のページでそう主張していたら、これから会いに行く人からメールが来ました」
その後、この運転手も前にバイク乗りだったこと(なんと、DUCATII900乗りだった)やバイクの高速料金は異常に高すぎるとか、インターネットにつなぐためには何が必要かとか、電子メールがどうやって届くのかなどの話をした。
運転手:「なんで馬車道にしたの?他にもレストランはいっぱいあるのに?」
私:(ぎくっ)「馬車道のこともインターネットで知ったんですよ。それによるととても雰囲気のいい店だとかで・・・。」
この時頭の中は¢お小夜さんの「馬車道っ娘(すみれ女史)」の絵を思い浮かべていたのは言うまでもない。(笑)
運転手:「馬車道のこともインターネットで見れるんですか?」
私:「馬車道好きな人がホームページにいろいろ載せているんですよ。『馬車道』で検索をかけると、かなりのページが出てきますよ」
運転手:「あそこって、変わった店だよね。え〜と、雰囲気が明治風で、ウェイトレスさんが・・・」
私:「袴を着ている」
運転手:「そうそう。変な店だよね」
私:「今の世の中、こういった伝統的な服装にはなかなかお目にかかれないし、こういう格好が似合う人も少ない。あまり派手なのが流行ると、その反動で清楚なものを求めたくなる。こんな読みが馬車道のオーナーにあって、それがあたったんじゃないんですか?」
客が何を求めているかを見きわめ、それを提供すれば客は飛びつく。マーケティングの基礎である。
若者(男性)の中には、コギャル的なスタイルが嫌いな人もいる。そういう人のニーズに応えたのだ。ターゲットはそうした若者だ。
(しかし、後で分かったことだが、この読みは外れていた。本当のターゲットはどんな人かは後ほど書く。)
運転手:「でも、中身はコギャルだよね(笑)」
私:(げっ)「そうだったらイヤですよね。(苦笑)それだったらわざわざ新幹線使って新潟から来た意味がないですよ。目的はあくまでオフ会ですけれど」
何度か渋滞に巻き込まれたけれど、馬車道にたどり着くことができた。
運転手:「あそこにバイクがあるよ。ここに間違いないんじゃない?」
私:(あれ?えみりさんはまだバイクを持っていなかったはず。誰だろう?)「そうみたいですね。」
私は運転手にタクシー代を払い、車を降りた。
左側の奥の席を見ると、女性が一人、男性が二人いた。
(あの人がまりりんさんで、奥の二人がたんくさんともりたさんだな。)
えみりさんに案内されて、その席にいく。
そしてあいさつして、燕三条駅で買ってきたささだんごをえみりさんに渡す。
私:「新潟名物のささだんごです。コシヒカリにしようかとも思いましたが、重そうなのでやめました(笑)」
私は、通路に最も近い席に座った。目の前にはまりりんさん、その右隣にはえみりさん、えみりさんの隣はもりたさん、私の左隣がたんくさん、という席順だった。
(あ、いかん。左側の角で通路に背を向けているということは、すみれ女史がよく見れない<ぉぃ)
(でも、¢お小夜さんによると「人によってはすみれ女史が気になって、食事に集中できないこともあるらしい」からここの方がいいかも、自分は食事が遅いからなぁ)
どんな風に話のきっかけを作ればいいのか分からなかったので、馬車道オフ関連の書き込みのログ、¢お小夜さんの馬車道っ娘(すみれ女史)の絵の白黒プリントアウトなどを持ってきた。
「まめだねぇ」とか「あたしもログ取ってないのに」とか言われた。
私:「で、この絵ごらんになりました?」
私が宣伝しまくっただけに全員が見たらしい。しかも「推進委員会」の私のお馬鹿な書き込みも見られたらしい(^^;;;;;;
話をしていくうちにいろいろ分かってきた。
えみりさんは専業主婦で、まりりんさんはグラフィックデザイナー。
たんくさんともりたさんは知り合いで、二人ともジムカーナの指導員という強者(つわもの)らしい。
この二人とまりりんさんは初対面らしい。
この中でまりりんさんと私以外は既婚者のようだ。
私以外は30代のようだ。(私は22歳)
一番早くここに着いたのが、たんくさんともりたさんのようで、すでに一皿づつ空にしていた。
ちょっと横を見てみた。緑の矢絣に袴のすみれ女史を発見!
え・・・。緑?
¢お小夜さんの絵では紺色だったはず。緑もあるのか・・・。
帰ったら伝言板で聞いてみよう。
でもって、このすみれ女史は・・・。
コギャルではなかった。(少なくとも「中身はコギャル」には見えなかった)←最重要項目
色以外は¢お小夜さんの絵とほぼ同じ。矢絣模様まで同じだった(模様が↑↑↓↓だった。しかしよくここまで描けるものだ)
年齢は私と同じくらい。
身長は編み上げブーツのせいもあるかもしれないが、170cm以上。
髪はロング
かなり美人(*^^*)
この後で、そのすみれ女史さんが私のそばに来てくれて麦茶とメニューを持ってきてくれた。
通路側ってことは、注文取りにくる時には必然的に近くに来ることになる。
ここの席にしてくれたえみりさん達に感謝!
むろん、ほとんどゼロ距離で見ることは忘れなかった(*^^*)<ぉぃ
すみれ女史さんが去ってから、誰かに言われた。
「よかったね、よしゆき君(笑)」
私:「ええ、新潟から新幹線使って来たかいがありました。もしすみれ女史さんがいなかったら、泣いていたところです(笑)」
麦茶を飲みながらメニューを見る。スパゲッティの種類がすごく多い。
多い故に結構迷う。
そうこうするうちに、先ほどのすみれ女史さんが注文を取りに来た。
他の人はすぐに注文したが、私は少し迷ってから、ジャーマンポテトスパゲッティとアイスコーヒーを注文した。
私たちの注文を聞いたすみれ女史さんは、それを機械に入力し、感熱紙のプリントアウトを机においていった。
そこには注文内容、担当者の氏名等が書いてあった。
残念ながら名前は忘れてしまった。
Meiji Fashioned Styleな雰囲気の中で、現代の機械を使ったわけだが、不思議と違和感を感じなかった。
これは、バイクで言えば、外見は伝統的なスタイルだが、中のメカニズムは最新鋭の物を積んでいる、という今流行っているタイプのバイクと似ているような気がする。
どちらも、最新のテクノロジーを使いつつも、伝統的なスタイルを見事に出している。ということ。
料理を運んできてくれたのは、別のすみれ女史さんだった。
この人の矢絣・袴は紺色だった。
が、先ほどの人に比べて、結構年をとっているようだ。40代かもしれない。
「馬車道っ娘」というには無理がある。だけど、とても似合っていてやっぱり「すみれ女史」だなと思った。
こういう姿は、雰囲気が上品な人だとすごく似合うと思う。(注:論理的には「似合わない人は上品な人ではない」ということになるが、これに関しては決してそんなことはない)
これは後で知ったのだが、実は馬車道のターゲット(メインになる客層)は「一部の若者」ではなく、「女性やカップル」だそうだ。建物や従業員の服装に独特の雰囲気を出して、それがそういった客層にうけているそうだ。
私の場合はカップルで行くと、問題ありそうだ。すみれ女史ばっかり見ていそうだから。
その前に、相手見つけろってか(爆)
そういえば、他の客を見てみると結構女性同士の客や年配の客が多い。
えみりさんやまりりんさんも、「素敵な所だ」と言ってくれている。
ここを選んでよかった。
ジャーマンポテトスパゲティを口にしてみた。すごくうまい。
店の雰囲気だけではなく、味もいい。
食事し終わったので、また話をする。
たんくさん:「よしゆき君はこんど秋葉原にいくんだよね、なに買いに行くの?」
私:「PC98,MS-DOS用のゲームです。新潟では中古品すら売っていないんですよ。秋葉原にはあるかなぁと思って・・・」
たんくさん:「秋葉原にはオ○○がやっている怪しい店が何件かあるけど、昔みたいに『いかにも』な感じの名前じゃない。けど、それと分かる人がビラ配りしているからすぐに分かると思うよ」
私:「じゃあ、そのビラを東京みやげにしよう。」<嫌なみやげだ。
運転免許の話もした。
ところで、新潟はいまだに免許証のサイズが大きい(注:1998年10月4日以降から他の県と同様のカードサイズに移行)のだが、埼玉はすでにカードサイズに移行したはずだ。
というわけで、免許証を見せてもらった。
やはり、免許証はカードサイズだった。そして免許の話題で盛り上がる。
私:「えみりさん、ゴールド(免許)ですね」とか「免許を取って一度も書き換えをせずに5年経った(笑)」(注:免許を既に持っている人が、また新しく免許を取ると免許の期限が1年間延長される)
私:「今度何か取ったら、一回も書き換えせずにゴールドですよ(笑)」
「この年で、無事故無検挙なのはすごい」
私:「『無違反』なのはペーパードライバーやペーパーライダーだけですよ(笑)」
私:「本当に『無違反』な運転やっていたら今頃はあの世ですよ」
私:「無事故無違反を達成する、最も楽で確実な方法は運転しないことです(笑)」
本末転倒も甚だしいが、(その免許は何のためにあるんだ、ということになる)これが現実である。
あとは、「チーム恐妻」(既婚男性のジムカーナチーム)の話や、新潟の冬の話などもした。
やっぱり、新潟県と言えば、他県の人は米と雪をイメージする人が多いんだな・・・。 これに「ささだんご」を加えてもらえるとうれしいと思う。
ちなみに私は、埼玉県というと何も連想できなかった。
が、今回の件で連想できるようになった。「馬車道」と「すみれ女史」である。(笑)
(埼玉の方ごめんなさい)
えみりさんが、今度バイクを買うとのこと。そのバイクが店の駐車場に止めてあるという。タクシーを降りるときに見たバイクだ。
そのバイクはホンダ・JADE(250cc)で、私のCBRと同型(MC14E型)のエンジンを積んでいる。
えみりさんは、このバイクをALEX号と名付けている。
えみりさんが普通二輪教習を始めたのは6月、免許を取ったのは8月なので、2カ月間バイク無しの日が続いたことになる。
また、私に初めてメールをくれたのが4月。私の教習記を読んで二輪免許を取ろうと思ったという。えみりさんの教習日記も私の教習記の影響で書いたという。
教習記を読んで、免許を取ろうと思った人は私が知っている限りで10人近くいるが、私の影響で教習日記を書こうと思った人はえみりさんが初めてだ。
こういうのはとてもうれしい。自分の書いたもの(自分の知識)が誰かに影響を与え、その人に感謝されるのだから。
私の教習記を必要としている人は少ないと思う。ターゲットを極めて限定しているからだ。(ターゲットは身長が低くて、なおかつバイクの免許を取りたいと思っている人)
ただ、その少数の人たちにとってはどうしても必要な情報なのかもしれない。
ただし、そのうちの大半の人にとっては免許を取ってしまえば教習記はお払い箱。テストが終わった後に、そのテストのために使ったノートが捨てられるのと同じかもしれない。
まあ、誰かの役に立っているのならそれでもいい。
えみりさんとまりりんさんにちょっと聞いてみた。
私:「袴姿の女性ってどう思いますか?」
2人とも「とても素敵だ」と言ってくれた。
私:「なんか清楚な感じがするのがいいですよね。着るのがかなり大変そうで、複雑な構造をしていると思うのに、どうしてごてごてしないで清楚な感じがするんだろう?」
「清楚」を辞書で引くと、「清らかでさっぱりしていること」とある。
私は虚飾やケバいのが大嫌いなので、こういう感じの人や服装が好きなのかもしれない。
もりたさん:「よしゆき君って制服フェチ?」
私:「違いますっ。自分は中身の方が大切です(爆)」
言い方がアレだが、要はフェチな人は服装そのものを問題にするが、私の場合はその服装の着用者を問題にする。
例えば、「君のバイクはかっこいいね」と「バイクに乗っている君はかっこいいね」(本当に言われたことがある)では意味が全く違ってくる。
前者は物についての評価だし、後者は人についての評価である。
これと同じこと。
1時半頃に緑袴のすみれ女史さんが私たちの席に来た。
(そういえば、料理一品とコーヒー一杯で2時間近くいるんだよな)
と、おもっていたが、皿の回収と2杯目の麦茶を出しに来てくれただけで、注文を取ろうとしなかった。
客の回転率(入れ替わり率)がかなり悪そうである。それよりも雰囲気を味あおうとする客に対する配慮なのだろう。
(普通の飲食店は、客の回転率を上げるために、意図的に客が疲れやすくなるようにしてあると聞いたことがある。つまり、食事がすんだらすぐに席を立つようにしているわけ)
えみりさん:「秋葉原に行くにはそろそろ出た方がいいよ」
この一言で、馬車道内でのオフ会はおひらきになった。
精算がすんだ後で、私は馬車道コーヒー(1000円)を買った。
外に出てから、デジカメで馬車道をバックに記念撮影をした。
私の次の目的地は、秋葉原。そこへ行くためにはまず大宮駅に戻らなければならない。
えみりさんが私を送ってくれることになった。
えみりさんの車に乗ったのはえみりさんとまりりんさんと私の3人だった。
約20分で大宮駅に着いた。