S字・クランク、スラローム、8の字は基本的に走り方が同じだ。つまり、2速アイドリング状態で走って、バンクさせたあとの引き起こしの時だけ少しスロットルを開ける。スピードが出すぎたら、バンク中でもいいからリアブレーキを軽く掛ける。ただそれだけだ。
(注:現在では、クランクはバイクを垂直にして通過するようになっている。当時はS字・クランクは同じような物だったが、現在では本質的に違う物になった。ただ、この技術は超低速で自転車置き場に駐車するときなどに大いに役に立つだろう)
急制動は、初めのうちは強力なリアブレーキに慣れていなかったために、リアタイヤをロックさせまくっていたが、慣れてくると指定制動距離(30km/hの時は11m)の3分の2くらいの距離で止まれるようになった。が、あまり短い距離で止まるのもダメ(指定速度を出していないとみなされる)だというので、ブレーキング初期に強めに掛けて、停止線の手前で軽くブレーキを掛けて止まるようにした。
一番手を焼いたのは一本橋である。これは、1速ギアのまま少しスロットルを開けて一本橋にのる。後輪ものったらスロットルを戻すと同時にクラッチを切り、惰性で走る。目線はしっかり前に向けて、絶対に下を見てはならない。下を見るとふらついて脱輪してしまう。スピードが遅くなりすぎたら、ゆっくりクラッチをつないで少しスピードを上げる。スピードが出すぎたらクラッチを切ってリアブレーキを軽く掛ける。これを一本橋が終わるまで続ける。中型二輪の場合は7秒以上かけて渡らなければならない。(ちなみに、小型二輪は5秒以上、大型二輪は10秒以上)
意外に簡単だったのは坂道発進だった。実は、教習で一番苦労するのはこれだと思っていた。坂道でつま先立ちのまま発進操作をしなければならないからである。
しかし、NS50Fでの坂道発進はお手の物だったし、CBは低速トルクが異常に太いので坂道発進だからといって特別半クラッチに気を使う必要がなかった。特に気を使う必要がなかったから、他の時と同じようにつま先立ちで停止することだけに専念すれば良かったのだ。
この第2段階も補習が付かずに終了した。
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