大型自動二輪教習記・エピローグ

 免許は取った。では、大型二輪免許で乗れるバイクに乗るのか?
当初は、時間がとれる学生のうちに免許だけ取っておこう、と思っていたのだが、教習の途中にある人から「大型二輪(それもリッターバイク)を格安でゆずってやる」と言われてしまった。
 本当にこれに乗り換えるかはまだ分からない。足はちゃんと届くのか?車重に耐えられるのか?通学に使いやすいのか?維持費は?と、いろいろ検討すべき問題があるからである。
 今度、試乗させてもらうつもりだ。楽しみである。

7月4日

 そのリッターバイクに試乗させてもらった。
そのリッターバイクとは逆輸入車のFJ1200である。
車重は250kg、CB750の比ではない。しかも足は片足しか着かない。ちゃんとバランスを取れば別に問題ないが。
FJにまたがって、ギアを入れて走り出す。わずかにスロットルを開けただけでも猛烈な加速をする。さすが、逆輸入車。フルスケール260km/hのスピードメーターはダテではない。
そんなものすごいバイクを格安にしてくれたのには、それなりのわけがあった。
走行距離が50000kmを越えているのだ。
いつ、どんなトラブルが出るか分からないし、維持費がかなりかかることが予測される。
結局、FJ1200を買うことはやめることにした。
維持費がかかることもあるが、FJは日常の足に使うにはあまりにも重すぎる。「ちょっとそこまで」というときに乗る代物ではない。
 そういう乗り方ができるのはCBR250Rくらいの大きさと車重のバイクくらいまでだと思う。
 まぁ、FJ1200のようなすごいバイクに乗れただけでも良しとするか。
 CBR250Rの走行距離は22000kmを越えたことだし、このままCBRと付き合うことにしよう。

 それでは、せっかく取った大型二輪免許が無駄になると思う人もいるかもしれない。
しかし、決してそのようなことはない。教習のおかげで、バイクを運転する技術が上がったと思う。どんなバイクでも乗れるようになって、自信もついた。それによって心にも余裕ができた。免許を取る前は、他の車やバイクに無茶な追い越しをされると腹が立ったものだったが、取った後はそのようなことがあまりなくなった。

 「本当に強い人は他人に対して優しくなれる」という言葉がある。
 自分は決して強くないから、人に優しくできない時もある。
だけど、バイクに乗っているときには、他人に優しくできるようになったと思う。
 

 大型自動二輪教習記 −完−  


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最終更新日1999年2月25日